壬辰蔵春

あけましておめでとうございます。
昨年は私たち国民一人一人にとって生き方を考えさせ在り方を見つめる重大な一年でありました。
東日本大震災、津波被害、そして原発事故、つづいて関西の集中豪雨、これらは果たして想定外の出来事なのでしょうか。
今後押し寄せる世界経済の荒波や通商貿易の大波、日本の高度な技術や産業、日本の伝統文化、国民性はどうなるのだろう。
それらが危うくなったとき失われた時、やはり官房長官や政府は「想定外」と言うのだろうか。
昨年12月29日のテレビ番組で、みのもんたさんが仮設住宅を取材して一人住まいのご婦人の生活環境を見て、「仮設住宅には愛がない」と絞り出すような一言がとても強く私の心にのこっています。
これから私たち日本人はどうなるのだろうか、どんな姿勢で生きたらいいのだろう。多くの方が先行きの不安を感じ、辰年の新年を迎え幸せを祈ったことだと思います。
私は、この新年にあたり「同胞愛」を念じて神と仏にご先祖に祈りました。
家族兄弟が平穏無事であることはもちろん、檀家の人、ともだち、知り合い、親戚、いろんな人みんなが善くなるように願いました。
そのために励んでいくのだ。へこたれないぞ。辛抱するぞ。事に望んで真摯に取り組んでいくぞ。人にも自分にも決意した新年です。
私は徳川家康を始めとする戦国武将や時代の変遷に名を残した人物、偉大な業績を残した創業者、勿論お釈迦様も各宗派の祖師方も科学者や政治家も大好きであり、尊敬してやみません。そうそう聖徳太子も天皇陛下も。
そういった方々の偉大な業績や歴史に結果を残したことではなく、その本当の気持ちが国や人を思う気持ちなのだろうと感じるのです。
「国家安康」「万民富楽」御札に書いて読めばおわりじゃない。その努力精進を今年のお誓いにしたのだから忘れちゃなんない。
私たちにとって今年の生活はどうなのか。私が参考にしている書籍「展望と開運」の中から私が学んだ「壬辰蔵春」の意味を述べたいと存じます。
今年の干支は「辰」でありますが、十干は「壬」みずのえとなります、壬の字源は上と下に横線を引いてそこを縦に線を引きます、天と地の力を表しそこの中に横に一本長く書き入れるのが人を意味します。
天と地の力に人の力を加える事が今年の展開となります。その語源「壬」に人偏を書いて任務、責任、任せる、任ずるとなり、妊娠、妊婦の字源となっています。
重要なのは横格の真ん中の一、人なのです、つまり自分自身であります、今年は自分に展開する事柄はすべて自分の問題となるのです。
代理では務まらないのが今年展開することなので大切に取り組まなければなりません。その中にかけがえのない経験と学び将来があるのです。
干支の「辰」は十二支の中で唯一架空のものであり、天のお遣いとしての存在です。登り龍ですが竜が私たちを乗せて登ってくれるのではなく、高いハードル高い目標に私たちはしっかり掴まっていなければつれてってくれません。
壬の人の任務と同じように辰年は自分自身が置かれた立場や役割に一層励まなければなりません。
人間は誰もが得難い命を得て生きています。その生きている事に対して活力を与えてくれるのが天地の力で十干と十二支であるといいます。
それが巧い具合にマッチする事を「生活」と呼ぶのだそうです。さて今年の生活はどうなるのでしょう。
そんな努力精進の生と活を賜る年なのだから、私は「蔵春」ぞうしゅんという熟語を造りました。
壬のとし春が蔵にあります。自分の任に徹底して励み、しまってある春を自分で出して来なければなりません。
何にもしないでは春は来ません。春が来たらまた一生懸命耕して種蒔かなきゃ芽も出ませんし実りもありません。
さて、ここらで一服するか。飯もうまけりゃ煙草ももうまい。あったかい風呂が待っている。布団もあるし言うことねぇな。明日っからまたがんばんべぇ。
今年からの自分の生活、私達個々の生活のありようが家族や日本の将来を決めるような気がしてならないのです。
皆様のご精進ご健闘をお祈りしご多幸を願い年頭のご挨拶といたします。
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